緊急時の対応方法
乳幼児が病気になると、両親はとても困ってしまいます。
なぜ困るのかと聞いてみると色々な意見が出てきます。
まず、乳幼児はしゃべれないので体の調子を訴えることができない、
自分で食事ができない、はじめての事が多くて不安がいっぱい等々です。
基本的には小児科、内科の病院を受診してもらい、診察を受けることが一番ですが、急なことで受診できない場合がよくあります。
各種症状について、家庭でできる対応方法を含め、説明していきますので、ご家庭での健康管理、救急対応にご利用ください。
- 発熱
- 嘔吐、下痢
- けいれん
- 発疹
- 咳
- 鼻水、鼻づまり
発熱
最も出現頻度の高い症状です。
発熱とは、体内において炎症反応があると、脳にある体温を調整する部位より発熱物質が放出され、体温が上昇します。
熱の高さと病気の重症度は必ずしも一致しませんので、熱以外の症状も気を付け見てあげてください。
熱の出るときは、手足が冷たくなり寒気が出てきます。
暖かくして、十分な水分補給を行い、汗をよく拭いてあげてください。
3ヶ月未満の乳児
- 39度以上の発熱
- 水分摂取ができていない
- ぐったりしていて、呼吸が苦しそう
- 12時間以上おしっこが出ていない
- けいれんを起こす
上記のポイントを参考にして、病院受診の目安にしてください。
夜中に高熱が出ても、これらの異常なく、比較的元気そうなら朝まで待って、かかりつけ医に受診しましょう。
(夜中に救急受診するほうが負担になる場合もあります。)
解熱剤の使い方
解熱剤の使い方の
ポイントとしては、
38.5度以上の発熱がみられたら
乳幼児がぐったりとしている(水分補給ができていない)、又はおしっこの量が非常に少なくなっているなどを目安に解熱剤は使用してみてください。
解熱させて水分補給してもらうのが目的です。
これまでにけいれんを起こしたことがある乳幼児は高熱時にまたけいれんを起こす可能性があります。
可能であれば解熱剤を使用して速やかに38度以下にしてあげてください。
また医療機関よりけいれんの予防目的の薬があれば投与してください。
39.5度以上の場合は速やかに解熱剤を使用してください。
ただし口から水分補給ができており、比較的元気にしていれば、38.5度を超えていても様子を見ていて大丈夫です。
続けて使用する場合は、6時間以上開けて、1日3回までを目安にしてください。
嘔吐、下痢
嘔吐下痢もよくある症状ですが、症状が激しくなると、脱水症状が急速に進行する場合が あります。 嘔吐下痢で一番大切なことは、脱水症状を回避することですので、口から水分が取れないときは、あまり様子を見ずに、できるだけ早く医療機関を受診してください。
3ヶ月未満の乳児
- 経口で水分摂取ができない
- ぐったりして、反応が少ない
- 下痢の中に血が混ざっている
- 激しくお腹を痛がっている
- おしっこの量が減った
- どこか体を強く打ったあとに吐いた(例えば落ちて頭を打った)
症状が激しい場合が多いため心配ならすぐに医療機関を受診してください。 ただ授乳後やくしゃみ咳の後にある嘔吐は、反射性のものが多いため、 そのまま様子を見ても大丈夫な場合が多いです。
けいれん
乳幼児でけいれんがよく起こるのは、高熱が出た時です。
発熱と同時に起こるけいれんを熱性けいれんといいます。
けいれんの程度が軽い場合、体の一部のみけいれん、5分以内で終了、などの場合はほとんど後遺症を残しません。
症状が重い場合は後遺症が残る可能性もあります。
どちらにしてもけいれんが起きた場合は、症状が治まってもすぐに医療機関を受診してください。
救急車を使った方がいいと思います。
また、それ以外(頭部外傷など)でけいれんを起こしても大変危険な状態ですので、すぐに医療機関を受診してください。
初めてけいれんを起こした場合(軽症でも)
- けいれんが長い(通常は5分以下)
- 発作後に朦朧としている
- 続けてけいれんを起こす
目安を記載しましたが、けいれんを起こした場合は基本的に医療機関を受診してください。
ただ何度もけいれんを起こした経験があり、対処方法がよく理解できており、治療薬が手元にある場合のみ自宅にて様子を見てもらっても構いません。
ただし十分な注意をしてください。
発疹
発疹に限らず、乳幼児は皮膚のトラブルはよく起こります。
あせもやかぶれなどの皮膚発赤、湿疹などは急ぐ必要はありませんが、酷くなると治癒まで時間がかかるので医療機関は受診してください。
発疹ですが、発赤や痒み、膨疹が強く出る場合がありますが、気を付けなければならないのは喘息です。
何かにアレルギー反応を示しているため喘息が進行し呼吸困難に陥る場合があります。
呼吸が苦しそうではないかよく観察してあげてください。
全身に発疹が広がっている場合
- ヒューヒューと喘息症状が出現している場合
- 発熱や下痢などの症状を伴う場合
- 翌日になっても発疹がひかない場合
発疹はバリエーションが多いですが、受診の目安としては、発疹以外の症状(発熱、下痢、喘息発作など)が出ているかで判断してください。
発疹は皮膚自体にトラブルがあるケースと、全身的な病気で付随的に出てくるケースがありますので、早めに医療機関を受診してください。
咳
咳はのどや肺に異物が入ったり、分泌物を体の外に排泄するために起こる体の防御機能です。
発熱がなく、息苦しさがなければ、様子を見ていても大丈夫です。
ただし2週間以上咳が続くようであれば、アレルギー性疾患やマイコプラズマ肺炎、百日咳など特殊な病気を疑うため医療機関を受診してください。
ヒューヒュー、ゼーゼーと聞こえる場合
- 声がかすれてオットセイのような鳴き声の場合
- 苦しくて口の周りが紫色で、体を横にすることができない
問題となるのは喘息発作や急性喉頭蓋炎ですが、診断よりも治療が大切になりますので、呼吸が苦しそうな場合はためらわずに救急で医療機関を受診してください。
鼻水、鼻づまり
鼻水は粘膜刺激で産生する分泌物です。
正常の場合でも分泌されていますが、必要以上に産生されることが問題となります。
発熱がなく、機嫌がよい場合は経過をみていても大丈夫です。
ただ長期間鼻水、鼻づまりが継続すると中耳炎、副鼻腔炎の原因になりますので、継続するようなら医療機関を受診してください。
発熱を伴いぐったりしている。
- 鼻水の色が、黄色や緑色になってきた。
鼻水、鼻づまりのみで救急対応する場合はあまりないと思います。
ただ長期間症状が続き、鼻水に色が付いてくると、中耳炎、副鼻腔炎の可能性が出てきます。
最近は、ハウスダストや花粉、冷たい空気などによるアレルギー性鼻炎もありますので、医療機関を受診し診断をしてもらってください。
緊急の場合は、当院電話待ち受けでお知らせする電話番号におかけください。
- 小児科内科 堅田医院
- 078-871-6078(診療時間外は待ち受けで対応)
また子供の救急対応は
- 神戸こども初期急病センター
- 078-891-3499
http://www.kobe-kodomoqq.jp/