膵臓癌とは
膵臓癌とは、膵臓に発生する癌で膵癌とも呼ばれています。
膵臓はちょうど、みぞおちから少し下がったあたりの、胃の裏側に左右に横たわるようにあります。
臓にはインスリンやグルカゴンといった血糖値を調節するホルモンを分泌する大切な働きもあります。
膵臓は私たちの体の中で非常に重要な役割を果たしているのです。
膵臓癌の原因
膵臓癌の原因は医学的に決定的なものは実はありません。
しかし、実際に膵臓癌で亡くなった人達の生活習慣や年齢・性別など統計によって
ある程度の因果関係はわかっているようです。
- 喫煙
- 飲酒
- コーヒー
- 食生活の欧米化
- 慢性すい炎
- 身内にがん患者がいる
- 加齢
膵臓癌の原因は決定的ではありません。
大事なことは危険因子が重なる人は精密検査を定期的に受けることが、
膵臓癌の早期発見にもつながり、早期に発見することが膵臓癌からの生存率をあげる一番の方法なのです。
膵臓癌の症状
膵臓癌は初期にはほとんど症状は現れないのですが、ある程度病気が進んでくると特徴的なことが起こります。
- 食欲不振
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛・長く続くみぞおちや背中の痛み・腰痛
- 消化不良
- 急激な体重減少・全身倦怠感
- 黄疸
- 糖尿病が発症または悪化
膵臓癌の初期症状はほとんど無自覚無症状ですが、気をつけなけれなならない兆候は
近年明らかになってきました。
それはまず膵臓の腫れということです。
膵臓の腫れはすい臓に負担をかけた生活を繰り返せば膵臓癌にならずとも現れる症状ですがエコーや
MRI等で膵臓の腫れが指摘されたらまず前兆であるし医師によればすぐに精密検査を勧められます。
それくらい膵臓の腫れは膵臓癌の場合もありますし、将来膵臓癌になりやすい体質と兆候であると
明確に指摘されている事項です。
膵臓癌の治療
膵臓癌の治療には、おおまかに言うと手術療法、化学療法(抗がん剤)、放射線療法などがあります。
外科手術による腫瘍の切除が治療の基本ですが、癌の進行具合によっては切除による回復が期待できない場合もあります。
また、膵臓癌の手術は大手術であり、術死(術後1ヶ月以内に死亡すること)や術後在院死亡(術後一度も退院することなく死亡すること)も多くなるため、膵臓癌の手術に対しては十分な検討が必要です。
手術を受けるか受けないかの判断は患者自身と担当医との話し合いによります。
最終的には患者自身が決めることになります。
手術後は化学療法や放射線照射が治療の中心となります。
多くの場合、複数の治療法を並行して行います。
膵臓癌の化学療法の中心となっているのがジェムザールという点滴薬です。
病状により入院しながらか通院で良いかが分かれ、副作用や効果も人によってかなり違います。
放射線照射は、切除手術中にも行われることがあります。
副作用は手法や体質などにもよりますが、倦怠感や食欲不振をあげられます。
膵臓の周りにある臓器が放射線に弱いので、膵臓癌に対する放射線治療の経験が十分にある施設で
実施するのがベストでしょう。
患者と担当医で治療法を様子を見ながら、行なっていくのが現実です。
時には根治できないと判断した場合、なるべく苦しみのないような方向性で生活の質を考慮しながら
延命もなされるでしょう。
また、手術できなくても、徹底して、化学療法や放射線療法で副作用を考えながらの場合もあるでしょう。
いずれにしても本人、家族、担当医と話し合ったうえで、自分にとって最良の選択を見つけることになります。