帯状疱疹とは
「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」は、みずぼうそう(水痘)を発生させるウイルスであるヘルペスウイルスです。みずぼうそうが完治した後も体の中に居座り続けます。
数年、数十年たってから、過労や外傷や手術などがきっかけになってふたたび活動を活発化させます。
これが帯状疱疹(たいじょうほうしん)です。ヘルペスとも呼ばれています。
この病気は、過去にかかった水ぼうそう(水痘)のウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス)が原因で起こります。水ぼうそうが治った後もウイルスが体内に潜伏し、加齢や疲労などで免疫が低下したときに活性化することで発症します。
成人のほとんどの方がこのウイルスに感染していると考えられており、発症のリスクがあります。患者は、50歳代から増え始め、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症するといわれています。
なかには、発疹が治った後も痛みが残ることがあります。3カ月以上続くものを帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。症状は人によってさまざまですが、日常生活に支障が出るほど強い痛みが出る場合や、数年にわたって症状が続くこともあります。50歳以上で帯状疱疹を発症した方の約20%がPHNになるという報告もあります。
ほかにもさまざまな合併症があり、目や耳に障害がでたり、まれに髄膜炎、脳炎など生命に関わるような合併症を生じることがあります。また、視力低下や顔面神経麻痺などの後遺症が残るリスクがあります。
帯状疱疹の原因
水痘・帯状疱疹ウイルスが神経節の中に潜伏している状態が続きストレスや心労、老齢、抗がん剤治療・日光等の刺激などによって、ウイルスが神経細胞を取り囲んでいるサテライト細胞の中で、再度増殖する(再活性化する)ことによって生じるのが帯状疱疹です。
帯状疱疹の症状
発熱や頭痛全身倦怠が個人差はありますが2,3日続きます。
また神経痛のようなピリピリした痛みが現れ、やがて赤い発疹(ほっしん)が帯状に広がっていきます。赤い発疹は、やがて水疱(すいほう)になり、数日してから膿疱(のうほう/うみのかたまり)になります。
2週間程経つと、膿疱は瘡蓋(かさぶた)になり、やがて治ります。まれに発疹が顔・耳・首などに出た場合、顔面神経マヒになったり眼球が傷ついたりすることがあります。
味覚障害や内耳障害になることもあり、ごくまれに運動神経が侵される方や排尿障害に至るケースもあります。
帯状疱疹の治療
発疹が出たら、抗ウイルス薬の軟膏を塗ったり、服用したり、さらに症状が重いときは抗ウイルス薬の
点滴をします。
患部が痛む場合、軽い症状では温めると軽くなります。
さらに重症の場合は、神経ブロック療法という麻酔を使った方法を用います。
発疹が出てから、遅くとも5日以内に病院で治療を受けるべきです。
適切な治療が行われれば、1週間程で水ぶくれはかさぶたになり治癒します。
帯状疱疹の予防
そもそも免疫力が低下することで発症するのが帯状疱疹なので、いったん発症したら、安静にすることが大切です。
また、発疹が水っぽい状態の時は、みずぼうそうの免疫のない方、または予防接種を受けられてない1歳未満の人に、みずぼうそうとして、うつりますので濃厚な接触を避けることです。
皮膚の病なので、入浴は控えてください。
慢性的に不規則な生活を送る事や、過度の疲労、心労を要する作業を続ける事は控えて下さい。
頻繁に再発してしまう事になります。
帯状疱疹の予防接種
予防目的での帯状疱疹のワクチン接種は非常に効果的です。行政より助成金がでることもあります。